☆Dead of night a soliloquy☆
気が向いたときにつぶやきます・・・
春の雪4
私とリカは大学で知り合い、親友になった。
リカはとても明るく友達も沢山いたが、なぜか同性からは嫌われることが多かった。
リカとの関係が崩れたのは、入った会社の上司田端部長とリカが付き合っていることを知った頃からだった。
ある日、リカが「ねぇねぇ、はるみ、話したいことあるんだぁっ!」
と話しかけてきた。
「私、彼氏が出来たんだぁっ^v^♪ 彼ねぇ、はるみと同じ会社にいるんだってぇっ! すごい渋くて格好いいのっ! 変質者から私を助けてくれてねっ、それで惚れちゃって猛アタックしちゃったっ! 田端武志って言うんだけど知ってる?」
私は驚愕した。
田端部長は新入社員の憧れで、私も憧れていた。
でも、近々社長令嬢と縁談があって結婚するという噂があったからだ。
【2006/03/26 13:25】 | 小説 | トラックバック(0) | コメント(0) |
春の雪3
次の日も彼は会社の近くにいた。
自然と彼を避けるようにしている自分が怖かった・・・
でも、彼は私を見つけてしまった・・
そして近づいて私に声をかけた。
「あの、すみません。ちょっと話したいのですけど、よろしいですか?」
もう逃げられない・・・腹を据えるしかない 
そう思った。
「僕、多田野健二といいます。あの、いきなりで申し訳ないのですが、リカさんのことでお聞きしたいことがあるのですけど、いいでしょうか?」
「はい・・・あの・・リカさんとは?」
とりあえず曖昧に返して様子を見ることにした。
刑事・・には見えないし、探偵・・でもなさそうだ。
「リカさんを知ってますよね?」
彼は質問には答えなかった。
「はい。」
私はしょうがなくうなずいた。
そのとき、彼の顔はとても嬉しそうに輝いた。
私にはその顔がとてもまぶしかった。
「あの、僕リカさんを今探してるんですっ!すごい自分が苦しい時に助けてくれた恩人で、でも名前も分かんなくて・・・でも、すごい彼女にお礼を言いたくて・・・それで探していたんですっ! でも、彼女見つかんなくて・・・」
彼は泣きだしてしまった・・・そうとう大変だったのだろう・・・
でも、私には彼を慰めることはできなかった・・・
だって、私がリカを殺したのだから・・・

【2006/03/26 12:55】 | 小説 | トラックバック(0) | コメント(0) |
春の雪 2
私は吸い寄せられるようにそこに近づいた。
彼は、ただ必死になにかを叫んでいた。
最初はなにか分からなかったけど、その言葉を認識した時私は硬直した・・・
「リカを返してくれっ!」
ただ、彼はそれを繰り返していた。・・・必死に・・・
その言葉をずっと聞いていくうちに私の体はどんどん硬直し、顔は青ざめ、口は乾いていった。

リカ・・・そう、あれは私が・・・
それ以上はもうなにも思い出したくなかった。

私はその場から逃げ出した。
その時、あの彼と目があった。
メガネをしていない彼は意外と切れ長の透き通った目をしていた。
私はその目が怖かった。


【2006/03/19 23:20】 | 小説 | トラックバック(0) | コメント(0) |
春の雪
あの人と逢ったのもこんな春の雪の降る昼のことであった。
あの頃の私は目標も何も無くただ生きているだけであった。
このあわただしい1年を過ごすことなんて微塵も考えてなんていなかったであろう。

始まりは1年半前のことである。
私がいつもお昼を食べている公園のベンチに歩いていたら私の定位置に先客がいた。
その人はいつから寝ていたのか、体中は桜の花びらだらけで、上には猫が寝そべっていた。
降り積もる桜の花びらにも、頬に次々に当たっている降り始めたばっかりの春の雪にも、猫の寝返りにも気づかずとても気持ち良さそうにその人は寝ていた。
思わず私はお昼を食べるのも忘れ、その人に見入ってしまった。
短い黒髪にオシャレな黒縁メガネをかけ、灰色のリクルートスーツを着ている。
横には年代物の使い込んだビジネスバック。
就職活動中だろうか?
はっと気づくと、もう昼休みは半分以上も終わっているっ!
どれだけ見てたのかと苦笑いをしながらあわててその人の横のベンチに腰掛け、あわてて弁当を食べ、あわてて会社に戻った。
ただ、心の中にはあの人の残像がずーっと残っていた。

次にあの人に会ったのは会社でであった。
私が帰ろうと会社を出たとき、裏のほうから私が今不倫中の田端部長の怒鳴り声が聞こえた。
何事かと走って見にいって見ると、顔を真っ赤にさせながら足を振り回している部長とその足に食らい付いて話さない華奢な若い男。
そして近くに散らばっていたオシャレな黒縁メガネと見覚えのある黒いビジネスバック・・・・私は驚いた。。。
それはまぎれもなくあの公園のベンチに寝ていたあの人だったのだから・・・


つづく

テーマ:雑文 - ジャンル:小説・文学

【2006/03/14 01:44】 | 小説 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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日本一長い川の下流近くに住む22歳のテレビ好きの会社員ですっ・▽・/~
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